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2019年は第3世代Ryzen CPUやRX5700シリーズなど、AMDの快進撃によりPC界隈が大いににぎわいましたね!後半にはNVIDIAからRTX2000 SUPERシリーズが発売されたことも記憶に新しいと思います。
しかし、すでにRTX2000シリーズの後継となるRTX3000シリーズについての情報もチラチラ出ているようです。
今回は来るRTX3000シリーズの発売日やスペック、価格などについてまとめていきます。
続報が公開され次第、追記していきます!
※注意!確定情報ではないので、2020年3月に開催されるNVIDIA GTC 2020での発表内容によっては、情報が大きく異なる可能性があります。
5/14追記!
コロナの影響により、NVIDIA GTC 2020は延期となり、先日(5月14日)NVIDIA CEO Jensen Huang氏による
基調講演がYoutubeにて、行われました。そこで発表された主な内容を追記しています
9/4追記
日本時間の9月2日午前1時、NVIDIAからTuring世代の後継モデル、AmpereのRTX3000シリーズが発表されました!基調講演で正式に公開された新製品のスペック、価格についてまとめています!
2021年4月追記
各モデルの発売日とスペック、RTX3080TiやRTX3070Tiの発売日予想を追記しています
2021年6月追記
2021年6月に発売されたRTX3080TiとRTX3070Tiのスペックについて追記しています
RTX3000シリーズのラインナップ
RTX3000シリーズはNVIDIAから発売される次世代グラフィックスカード「Ampere」の製品群です。
2022年4月現在、デスクトップ向けに公開されている製品は「RTX3090Ti」「RTX3090」「RTX3080Ti」「RTX3080」「RTX3070Ti」「RTX3070」「RTX3060Ti」「RTX3060」「RTX3050」の9つです。以下がそれぞれの詳細なスペックです。先代のハイエンドモデル、RTX2080Tiとも比較します。
RTX3090Ti | RTX3090 | RTX3080Ti | RTX3080 | RTX3070Ti | RTX3070 | RTX3060Ti | RTX3060 | RTX3050 | RTX2080Ti | |
世代 | Ampere | Ampere | Ampere | Ampere | Ampere | Ampere | Ampere | Ampere | Ampere | Turing |
プロセスルール | 8nm | 8nm | 8nm | 8nm | 8nm | 8nm | 8nm | 8nm | 8nm | 12nm |
CUDAコア数 | 10752 | 10496 | 10240 | 8704 | 6144 | 5888 | 4864 | 3584 | 2560 | 4352 |
RTコア数 | 84 | 82 | 80 | 68 | 48 | 46 | 38 | 28 | 20 | 68 |
Tensorコア数 | 336 | 328 | 320 | 272 | 190 | 184 | 152 | 112 | 80 | 544(第2世代) |
ベースクロック | 1670Mhz | 1400Mhz | 1370Mhz | 1440Mhz | 1580Mhz | 1500Mhz | 1410Mhz | 1320Mhz | 1550Mhz | 1350Mhz |
ブーストクロック | 1860Mhz | 1700Mhz | 1670Mhz | 1710Mhz | 1770Mhz | 1730Mhz | 1670Mhz | 1780Mhz | 1780Mhz | 1545Mhz |
VRAM規格 | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
VRAM容量 | 24GB | 24GB | 12GB | 10GB | 8GB | 8GB | 8GB | 12GB | 8GB | 11GB |
PCIe | 4.0 | 4.0 | 4.0 | 4.0 | 4.0 | 4.0 | 4.0 | 4.0 | 4.0 | 3.0 |
TDP | 450W | 350W | 350W | 320W | 290W | 220W | 200W | 170W | 130W | 250W |
補助電源 | 8pin×3 | 12pin | 12pin | 12pin | 12pin | 12pin | 12pin | 12pin | 8pin | 8+8pin |
希望小売価格 | $1999 | $1499 | $1199 | $699 | $599 | $499 | $399 | $329 | $249 | $999 |
RTX3000シリーズからは、プロセスルールが先代の12nm→8nmへと縮小し、チップ面積に多くのトランジスタを詰めることが出来るようになり、高性能で、コスパ良いグラフィックボードの製造が可能になりました。
NVIDIAはこれまで、近い将来レイトレーシング技術を用いたPCゲーミングが主流になると予測しており、RTX3000シリーズはよりレイトレーシングパフォーマンスを向上させたグラボだと謳っていました。
今まで無かったAmpere発表のカウントダウンとする告知を行っていたこともあり、RTX3000シリーズに対するNVIDIAの大きな自信が伺えます。
RTX3090 歴代最強の90番台ハイエンドGPU
- シェーダーコア 10496
- RTコア 82
- Tensorコア 328
- VRAM 24GB(GDDR6X)
「90番台のグラフィックボードが出るかもしれない」海外のリーク情報でその存在が囁かれていました。
そして、2012年のKepler世代「GTX690」以来の、最強と呼ぶにふさわしい90番台モデルが発表されました!
CUDAコア数は10496個と驚異の1万個超え。ワークステーション向けのQuadroをも超える膨大な数になっています。レイトレーシング技術専用のチップ「RTコア」も164個と、先代のRTX2080Tiの約2.5倍。スペックを見る限り、RTX2080Tiの2倍以上の性能を持っています。
VRAMには最新規格のGDDR6Xを採用。ダイサイズやプロセスルールの変更はなく、Turing世代に採用されていたGDDR6よりも、信号速度が改善されているようです。ただ、GDDR6と比較しても多少の改善であるため、レイテンシ(遅延時間)に大きな差は無いと思われます。
容量は24GBになりました。リーク情報で出回っていた大容量VRAMの搭載は本当だったようです。NVIDIAが見据える4K 120fps、8k 60FPSゲーミングを考慮したVRAM容量だと言えます。
RTX3080Ti RTX3090に迫る80番台上位モデル
- シェーダーコア 10240
- RTコア 80
- Tensorコア 320
- VRAM 12GB(GDDR6X)
2021年6月に、RTX3080の後継となるRTX3080Tiが発売されました。
Ampereは各種コアをモリモリに積んだグラボが多いのですが、RTX3080Tiは特にその傾向が強いと言える製品でしょう。シェーダーコア・レイトレ用コアともに最上位のRTX3090に近いスペックを持っています。
各メディアのベンチマーク結果を確認すると、ゲーミング性能だけで言えばRTX3090に迫る数値を叩き出しています。
価格はRTX3080と比較して500$も値上がりしてしまいましたが、RTX3090に肉薄する性能を、RTX3090より300$安く手に入れることができます。
また、VRAMが12GBに増量し、4Kゲーミングをより快適に楽しむことができそうです。
RTX3080 性能はRTX2080Tiの2倍
- シェーダーコア 8704
- RTコア 68
- Tensorコア 272
- VRAM 10GB(GDDR6X)
RTX3080は、RTX2080Tiの2倍近い性能を持っています。
CUDAコア数は8704個と、こちらもQuadro並の豪華なスペックとなっています。VRAMは10GB(GDDR6X)と、RTX2080Tiの11GBより下回っていますが、2080TiはTuring最上位モデルです。RTX2080のVRAMが8GBと考えると、順当な進化だと言えます。
TDP(消費電力)は320Wと、RTX2080Tiの250Wと比較すると大きく上昇してしまいました。実際の温度を計測してみない限りは何とも言えませんが、RTX3090に迫る消費電力なので、運用難易度は高めなのではないでしょうか。
RTX3070Ti RTX2080Tiを明確に打ち負かす
- シェーダーコア 6144
- RTコア 48
- Tensorコア 190
- VRAM 8GB(GDDR6X)
RTX3070Tiは、RTX3080Tiと同時期の2021年6月に発売されました。
全体的に、RTX3070を微強化したようなスペックですが、VRAM規格がより高速なGDDR6Xに強化された点が明白な違いと言えます。その違いもあり、RTX3070と拮抗していたRTX2080Tiに対しては性能でしっかり上回ります。
ただ、RTX3080Tiと比較すると、RTX3070Tiはどうしても無印からの性能向上が乏しいように見受けられます。また、TDPはRTX3070の220Wから290Wと70W増加しています。
RTX3080Tiほどの性能向上が期待できるわけではなく、少し中途半端な印象を受けます。
RTX 3070 RTX2080Tiと同等以上の性能
- シェーダーコア 5888
- RTコア 46
- Tensorコア 184
- VRAM 8GB(GDDR6)
RTX3070は、RTX2080Tiと同等以上の性能を持っています。
これはかなりの衝撃ですね。Turing世代のRTX2070はGTX1080を上回りましたが、GTX1080Tiには及びませんでした。ですが、RTX3070は70番台でありながら、先代のハイエンドモデルに達する性能を持っていそうです。
RTX2070の性能を考慮すると、その差は歴然。RTX2070ではレイトレーシング技術を用いたゲーミングには程遠かったので、DLSSを併用して、ようやく70番台である程度実用可能なレベルに達したのではと思います。
RTX3060Ti RTX2080Superを凌ぐ
- シェーダーコア 4864
- RTコア 38
- Tensorコア 152
- VRAM 8GB(GDDR6)
RTX3060Tiは2020年12月2日に発売された、RTX2060SUPERの後継となるミドルレンジグラボです。60番台のグラフィックボードは売れ筋のモデルですので、RTX3000シリーズの大本命と言えます。
肝心のスペックを見ると、VRAM容量は変化なしですが、CUDAコア数(シェーダー)がRTX2060SUPERの2倍となっており、先代のRTX2080SUPERを凌駕するスペックを持っています。
フルHD~WQHDゲーミングを制覇する定番グラボになりそう?
RTX3060 順当な性能向上を果たした定番グラボ
- シェーダーコア 3584
- RTコア 28
- Tensorコア 112
- VRAM 12GB(GDDR6)
RTX3060は2021年2月26日に発売された、RTX3060Tiの下位モデルにあたるミドルレンジグラボです。RTX3060と仕様を比較すると、一見控えめな印象を受けますが、VRAMは12GBに増量しています。
12GBのVRAMですと、動画編集等のクリエイティブ用途にも扱いやすいグラボですね。
先代のRTX2060を20%程上回る、順当な性能向上を果たした売れ筋モデルです。
RTX3000シリーズの特徴
RTX3000シリーズの大きな特徴は以下の通りです。
- レイトレーシングパフォーマンスの向上
- 省電力・低発熱化
- VRAMの大容量化
順に見ていきましょう
レイトレーシングパフォーマンスの向上
前世代(Turingアーキテクチャ)と比較して、RTコア数が第2世代へと進化し、レイトレーシングパフォーマンスが向上します。
RTX2000シリーズでもレイトレのコアは搭載されていました。しかし、レイトレ機能で快適に動作できるほどのパワーがあったわけではなく、そもそもレイトレ対応のゲームが極めて少なかったりなど、どうしてもおまけ感が拭えませんでした。
RTX3000シリーズでは先代のグラボより快適にレイトレゲーミングが楽しめるかもしれません。
レイトレーシング(Ray Tracing)とは?
光や影の反射を物理法則に従って一本の線ごとにシュミレーションさせる技術のことです。
これにより、光の透過や屈折が本格的に表現され、映像ががよりリアルに描画されます。ただ、非常に細かい処理を要するのでグラボへの負荷はかなり大きくなります。
省電力・低発熱化
画像出典:wccftech
AmpereアーキテクチャではSamsungの8mmプロセスルールが採用されました。
プロセスルールとは、CPU、GPUコアを製造する際の設計方法のことです。8nmとは、回路の線の太さを表しており、これが細いほどより多くの処理をさせることができるので、結果的に性能の向上などのメリットにつながります。
Ampere世代は、CUDAや各種処理用のコアをモリモリに積んだ「数で勝負!」な
グラボが大半を占めています。そのため、性能向上の反面、消費電力は悪化しています。
VRAMの大容量化
RTX3000シリーズでは、コア数やクロックの増加といった性能向上により、より多くのVRAM(ビデオメモリ)を搭載するとしています。
RTX2080TiのVRAMは11GBでしたが、Ampereのハイエンドグラボでは14GBや16GBなど、より多くのVRAMが積まれるかもしれません。レイトレやDLSSを用いた4Kゲーミングを視野に入れているものと思われます。
PCI Express4.0に対応
AmpereのRTX3000シリーズでは、高速データ通信を可能とする拡張インタフェースの最新規格「PCI Express 4.0」に対応しています。
既に、AMDの第3世代Ryzen CPUと、それに対応した高価格帯のマザーボードはPCI Express 4.0に対応済みです。RTX3000シリーズが4.0に対応することで、Ryzen CPUを積んだPCのパフォーマンスが向上する可能性があります。
HDMI 2.1に対応
RTX3000シリーズでは、映像出力にHDMI 2.1が搭載されるようになります。
HDMI 2.1は8K 60fpsの映像出力に対応します。もちろん、これまでのHDMI1.4、HDMI2.0等との下位互換性も健在です。
12-pin補助電源が登場
画像出典:PC Watch
RTX3090、RTX3080、RTX3070のモデルでは、電源の供給に必要な補助電源コネクタが12pinとなっているようです。
「新しい電源ユニットが必要なのか!?」と思いましたが、そういうわけではなく、付属の変換ケーブルを用いて8pin + 8pinを12pinに変換出来るようです。12pinでどれくらいの電力を供給できるのかはわかりませんが、少なくとも350Wの消費電力であるRTX3090をまかなうことは出来るみたいです。
CPUボトルネックが解消できる?新技術「RTX IO」
RTX3000シリーズの発表と同時に、しれっと公開されていた驚きの新技術が「RTX IO」です。
RTX IOとは、ストレージに格納されている圧縮されたデータを、GPUパワーでで読み取り、展開を行うことでCPU負荷を削減する技術のことです。
従来の方法では、CPUがストレージからの読み出しと圧縮を行い、メモリへの配置を行った後、GPUに転送するという手順を踏んでいました。このため、データ転送が幾度となく行われるためにCPUに負荷が掛かっていました。
RTX IOでは、GPUが直接データを取りに行き、自ら圧縮とVRAMへの配置を行うため、CPU性能に囚われません。CPUのデータ転送・展開処理が減ることになるので、結果的にCPUボトルネックの改善・解消が期待されます。
また、RTX IOはRTX3000シリーズに限らず、RTX2000シリーズ、GTX16シリーズでも搭載するとしているので、多くのユーザーにメリットがありますね。
CPUボトルネックとは?
CPUボトルネックとは、CPU性能が低いことで、グラフィックボードの性能が最大限に発揮できなくなる現象のことです。
パソコンには、各パーツ間の相性というものがあり、もしグラフィックボードの性能と比較してCPU性能が著しく低いと、グラフィックボードがCPUの性能に合わせて稼働してしまいます。
RTX2080Tiのようなハイエンドグラフィックボードには、高性能なi7 9700Kや10700K、i9のCPUを使うことで、RTX2080Ti本来の性能を引き出すことが出来ます。逆に言えば、GTX1050などのローエンドグラボであれば、第8世代のPentium Gold 5400で組み合わせても、CPUボトルネックにはなりません。
PCパーツ同士が相互に性能を引き出すことが出来るバランスの良い構成が必要になります。
RTX3000シリーズの発売日は?
5/14にオンラインで開催された基調講演ですが、RTX3000シリーズの詳しい情報は明らかにされませんでした。
それを踏まえ、発売日について可能性があるのは、2020年9〜10月頃だと思われます。
Ampere | 発売日 |
RTX3090 | 2020年9月24日 |
RTX3080Ti | 2021年6月3日 |
RTX3080 | 2020年9月17日 |
RTX3070Ti | 2021年6月10日 |
RTX3070 | 2020年10月29日 |
RTX3060Ti | 2020年12月2日 |
RTX3060 | 2021年2月25日 |
2021年6月追記
2021年6月に、70,80番台の上位モデル、RTX3070TiとRTX3080Tiが発売されました
RTX3090とRTX3080の発売日が発表されました。今回のAmpere世代では、RTX3090がハイエンドですが、RTX3080がトップバッターを飾るようです。
Turing世代では、SUPERシリーズがあったため、1世代を1年程の期間でグラボを順次発売していました。
今後、高性能版の「Ti」「SUPER」モデルの発売も予想されます。すぐに3070、3080、3090のモデルを購入せずに、今後発売される高性能モデルを狙うのも良いかもしれません。
RTX3080Ti・RTX3070Ti・RTX3050は出るか?
Ampere | 発売日 |
RTX3080Ti | 2021年6月3日 |
RTX3070Ti | 2021年6月10日 |
RTX3050 (Ti) ? | 不明 |
参考:ITHome
2021年6月追記
2021年6月に、70,80番台の上位モデル、RTX3070TiとRTX3080Tiが発売されました
海外メディアによると、RTX3080TiやRTX3070Tiについては、何度も市場投入延期が知らされてきましたが、最新のリーク情報によるとRTX3080Tiは2021年5月頃に発売される?という見方を示しています。
RTX3070Tiについてもリーク情報はいくつか出てきているようですが、RTX3080Tiよりはっきりした情報は出てきていません。RTX3080Tiと同時期に発売されるか、1,2ヶ月遅れて市場に投入される可能性があります。
ノート向けラップトップ版のRTX3050は既に発売されていますが、デスクトップ向けのRTX3050Tiについては、今のところはっきりした情報が出てきていません。50番台のローモデルはそのコストパフォーマンスの良さから、60番台に並ぶ売れ筋製品となりそうですが、半導体不足であることも考慮すると、発売されるかどうかは不透明です。
Turing世代では、ロー・ミドルスペックの需要をGTX16シリーズでまかなっていたため、Ampere世代でもレイトレ専用コアを持たないGTXシリーズで発売される可能性があります。TuringとAmpereの性能比を考えると、50番台でレイトレが十分に発揮できる性能、レイトレを求めるユーザー、どちらも少なそうですし。
参考までにPascalとTuring世代のグラボの発売日を書いておきます。(Turing世代のSUPERシリーズは省略)
Pascal世代 | Turing世代 | ||
GTX 1080 | 2016年5月 | RTX 2080 Ti | 2018年9月 |
GTX 1070 | 2016年6月 | RTX 2080 | 2018年9月 |
GTX 1060 | 2016年7月 | RTX 2070 | 2018年10月 |
GTX 1050 Ti | 2016年10月 | RTX 2060 | 2019年1月 |
GTX 1050 | 2016年10月 | GTX 1660 Ti | 2019年3月 |
GTX 1080 Ti | 2017年3月 | GTX 1660 | 2019年3月 |
GTX 1070 Ti | 2017年11月 | GTX 1650 | 2019年4月 |
RTX3000シリーズの価格について
人によっては一番気になるかもしれません。(筆者とか筆者とか筆‥‥以下略)
大きく性能向上が期待されるRTX3000シリーズですが、価格については前世代より安く手に入る可能性があると言われています。
7nmプロセルルール採用をすることでコストパフォーマンスの改善につながるといいですね。レイトレ、DLSS機能を持ったRTコアやTensorコアの新技術が組み込まれたとはいえ、RTX2000シリーズは全体的に高価でしたからね。
各モデルの価格一覧
希望小売価格 | 国内価格 | |
RTX3090 | $1499 | 23万~28万円 ? |
RTX3080Ti | $1199 | 17万~23万 ? |
RTX3080 | $699 | 10万〜14万円 ? |
RTX3070Ti | $599 | 8万~12万円 ? |
RTX3070 | $499 | 7万~10万円 ? |
RTX3060Ti | $399 | 5万円~7万円 ? |
RTX3060 | $329 | 5万~6万円 ? |
グラボの価格は、必ずしも希望小売価格ぴったりで販売されるわけではありません。販売直後は高くても購入する人が多い、また供給が追いつかないなどの理由で価格が高くなりがちです。(ご祝儀価格なんて言ったりする)
また、日本の代理店の中間マージンの影響で、それが価格に反映されていたりもします。
RTX3090は20万を軽く超えると思われます。いつからか、NVIDIAのハイエンドグラボは発売当初は20万円近い価格が設定されるようになりました。そしてRTX3090はその圧倒的な性能が価格に反映されています。
RTX3080とRTX3070は、$699と$499でちょうど$200の差です。これがかなり面白い価格設定だなと思っています。
RTX3070がRTX2080Tiをも超える性能を持っているので、現状のニーズを考慮すると、この3モデルではRTX3070が人気なモデルになりそうな気がします。しかし、結構な性能差がありながらも$200程しか離れていないので、3070と3080で迷う人には、$200多く払ってRTX3080を手に入れる価値は十分あると思うのです。
ですが、「RTX3070は、RTX2080Tiを超える」これがかなりのインパクトですよね。今後、発売が予想されるミドルクラス(RTX3060?)グラボの性能・価格にもよりますが、現時点ではRTX3070が人気なモデルになるのでは?という予想です。
いずれにしても、Ampere世代のグラフィックボードは最高の評価を得たPascal世代を上回るコストパフォーマンスだと思います。(在庫が潤沢にあれば。ですが…)
【悲報】深刻な品薄状態により、国内価格が跳ね上がる
画像出典:価格.com 価格推移グラフ「ZOTAC RTX3070 Twin Edge」
「最新グラボ!快適ゲーミング! 」といきたいところですが、現在国内に流通しているグラフィックボードが、過去に類を見ないほど、価格が高騰しています。
上記は発売当時、最安値だったZOTAC製のRTX3070なのですが、発売当時の6.9万~7万が3月25日時点で13万近くと、約1.8倍~2倍にまで上昇しています。昨年末を境に、2021年に入ってからは非常に入手困難な状態が続いています。
コロナの影響による、世界的な半導体供給不足
コロナの感染拡大を期に、半導体の生産が停滞していることが要因の1つとされます。製造ラインがストップしている状態で、リモートワークの動きや巣篭もり需要が高まれば、当然品薄になります。
同じく半導体を必要とする、自動車業界では大きな打撃を受けており、PCパーツの類にもそのツケが回ってきているというわけです。
ビットコイン最高値更新により、マイニングブーム再燃
2020年後半から上がり続け、2021年初頭に、ビットコインが過去最高値である5万ドルを突破。2017年の暗号通貨バブル以来の、マイニングブームの再来です。
コロナショックにより、世界的に金融緩和が押し進められたため、米ドルをはじめとした主要通貨は価値が下がります。そうなれば、必然的に株やビットコイン等の暗号通貨の価値は高まります。世界の金融機関や投資家の人たちが、金融資産の保有先として暗号通貨に目をつけたんですね。
また、日本では販売代理店からの購入だと価格が高い、転売が盛んに行われていることも、在庫不足→価格高騰に拍車をかけています。
もともと、RTX3000シリーズの製造ライン(Samsung 8mm)は歩留まりが良くなかったという話ですし、それに加えて上記のような要因がいくつも重なり、過去に類を見ないほどの価格高騰に繋がっています。
番外編 Ampereアーキテクチャ初のデータセンター向けGPU「A100」を発表
データセンター向けのHPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)用GPU「A100」が公開されました。
Ampereアーキテクチャを採用した初の製品になります。A100の仕様がコチラ⬇
ピークFP64 | 9.7 TF |
ピークFP64 Tensorコア | 19.5 TF |
ピークFP32 | 19.5 TF |
ピークTF32 Tensorコア | 156 TF | 312 TF * |
ピークBFLOAT16 Tensorコア | 312 TF | 624 TF * |
ピークFP16 Tensorコア | 312 TF | 624 TF * |
ピークINT8 Tensorコア | 624トップス| 1,248トップス* |
ピークINT4 Tensorコア | 1,248トップス| 2,496トップス* |
GPUメモリ | 40 GB |
GPUメモリ帯域幅 | 1,555 GB /秒 |
相互接続 | NVIDIA NVLink 600 GB / s PCIe Gen4 64 GB / s |
マルチインスタンスGPU | 最大7MIGs @ 5GBのさまざまなインスタンスサイズ |
フォームファクタ | NVIDIA HGX ™ A100 上の4/8 SXM |
最大TDP電力 | 400W |
見て分かる通り、消費者向けGPUではないため、価格はべらぼうに高いでしょう。
前世代「GV100」のピーク時の演算能力がFP64・32でそれぞれ7.4TFLOPS、14.8TFLOPSだったのですが、
「A100」ではAmpereアーキテクチャのTansorコアで性能が良くなったのか、19.5TFLOPS、312TFLOPSと圧倒的な性能向上を見せています。そして、TDPは前世代から150Wも増え、400Wに達しました。
RTX3000シリーズがどれほど性能が良くなるのか、楽しみですね!
TFLOPSとは?
TFLOPSとは、コンピュータの処理性能を表す単位の一つで、浮動小数点演算を1秒間に1兆回行うことを表す単位のこと。
Microsoftが2005年に発売したXbox360は、処理性能が1TFLOPSとされ、SONYが発売したPS3は2FLOPSとされている。
まとめ
(在庫さえあれば…(泣))
Pascal世代(GTX1000)のローからハイエンドまでが優秀過ぎたので、Turing世代(GTX16、RTX2000)は様子見でしたという人も居るのではないのでしょうか?
レイトレーシングを有効活用するためには、DLSSの適用が必須です。現状では、DLSS・レイトレーシング共に対応しているタイトルが少ないのがネックではありますが、今後、更に増えてくると思います。
大幅な性能向上が確実なものになった、RTX3000シリーズは買いかもしれませんね。
以上、「RTX3000シリーズはいつ出るの? 価格やスペック、特徴についてまとめてみる」でした。