XPG SX8200 Proの仕様
低価格なハイエンド
容量 | 256GB | 512GB | 1TB | 2TB |
ファームファクタ | M.2 2280 (NVMe 1.3対応) | |||
インターフェース | PCie 3.0 × 4 | |||
コントローラー | Silicon Motion SM2262EN | |||
NAND | 64層 3D TLC NAND | |||
シーケンシャル (読み込み) | 3500 MB/s | |||
シーケンシャル (書き込み) | 1200 MB/s | 2300 MB/s | 3000 MB/s | |
ランダムアクセス(読み込み) | 220K IOPS | 390K IOPS | 360K IOPS | |
ランダムアクセス(書き込み) | 290K IOPS | 380K IOPS | 369K IOPS | |
TBW | 160TBW | 320TBW | 640TBW | 1280TBW |
保証 | 5年 | |||
参考価格 | 6600円 | 8800円 | 15000円 | 29000円 |
「XPG SX8200 Pro」を開封するよ
基盤のコンポーネントを確認
今回購入したのは512GBモデルです。
最高スペックのものが欲しかったのですが、仕様を勘違いしていたようで、512GBモデルは書き込み速度が2300MB/sまでだったようです。トホホ…
外観はNVME SSDあるある、ブラックチョコレートみたいなパッケージです。中身はプラスチックに収納されたNVMe SSD本体とヒートシンク。説明書等は無く、ハイエンドにしては比較的簡素です。
個人的に、何となく嬉しいヒートシンク付き。確実に冷やそうと思ったら別売りのヒートシンクの方が冷却効率良かったりするのですが、そこまで高負荷を掛けない場合は付属してるとありがたい。無いより精神衛生上良いですしね。
XPG SX8200 Proは両面実装タイプです。あ、512GBモデルだけかも?
近くで撮り忘れたのですが、ラベルの横に見えるのが、DRAMキャッシュです。
さっきの画像を強引に拡大!
DRAMキャッシュはSamsungのDDR3Lメモリ(DDR3L-1866で動作)を搭載しており、容量は2GB(256MB)です。表裏両方に2枚ずつあるので計512MBのメモリ容量。
表裏、両方にNANDフラッシュメモリが付いています。ADATAの刻印がされていますが、自社製造ではなくMicron製なんですね。64層の3D TLC NAND型です。
ヒートシンクは片方にのみ付けるタイプです。NVMe SSDはコントローラー部分が一番発熱するので、とりあえずそこだけは冷却しますよということでしょう。
高負荷な用途で運用する場合、どう考えてもこのヒートシンクではサーマルスロットリングを防止できません。市販のヒートシンクを購入したほうが安心です。
ヒートシンクは極薄

XPG SX8200 Proのベンチマークテスト
テスト環境 | |
CPU | Intel Core i7 9700K |
グラフィックボード | NVIDIA Geforce RTX2060 |
マザーボード | AsRock Z390M Pro 4 |
メモリ | DDR4 2666Mhz 8GB×2 |
SSD | ADATA XPG SX8200 Pro 500GB |
SSD | Samsung SSD 860EVO 500GB |
CPUクーラー | 虎徹Mark Ⅱ |
電源ユニット | 750W (80+認証 GOLD) Antec NE750 Gold |
OS | Windows10 Pro |
Crystal Disk Mark 7
Crystal Disk Mark 7は世界で一番有名、そして業界標準レベルとなった国産のベンチマークテストです。
「64MiB」「1GiB」「4GiB」「16GiB」「32GiB」の5つのテストケースで測定していきます。
えええええ。
なんか、ランダムアクセスめちゃくちゃ遅くない?特に4段目(シングルキュー&シングルスレッド)
ランダムアクセスはSATA SSDよりも劣る結果となりましたが、シーケンシャル速度については、読み込み3500MB/s、書き込み2300MB/sの公称値に近い性能を発揮しています。
シーケンシャル速度、ランダムアクセス速度をテストケースごとにグラフにまとめました。
シーケンシャル速度のテストサイズ「64MiB」では、あまり性能が伸びていないようですが、「1GB」以降は調子を上げてきたみたい。読み込み速度・書き込み速度共に一貫した性能を出せており、読み込み速度に関しては公称値の2300MB/sを上回り、2500MB/sに近い性能を見せています。
ランダムアクセス速度は、正直なところ、全体的に振るわない結果に。一応設定を見直し、サブPCでも同様に測定を行ったのですがこれ以上の改善は見られませんでした。個体差があるのかもしれません。
シーケンシャル速度を、他の製品と比較してみました。
XPG SX8200 Proは、約5000円ほど高価な「Samsung 970EVO Plus」に迫る性能を見せました。90層を超えるトップクラスのTLC NAND相手に大健闘です。
AS SSD Benchmark
AS SSD Benchmarkは、読み書き速度・ファイルコピー時間・圧縮速度等が計測可能な、SSDに特化したベンチマークソフトです。
今回は、SSDの総合的な性能をスコアでわかりやすく示してくれる。読み書き速度の計測を行っていきます。
グラフの伸びを見ると、多少の違いがありますが、数十点の差は誤差レベルになります。スコアは大体3000点前半といったところ。
ランダムアクセス性能が足を引っ張り、スコアが思うように伸びていない可能性もあります。
他の製品と比較してみます。
Samsung 970EVO Plusに1500点以上差を付けられました。スペック的にはそこまで差は出ないのではと思っていたのですが。
ゲームのロード時間
実際のゲームロード時間はどれくらいなのか。Windows版のFF14(漆黒のヴィランズ)のロード時間を計測していきます。
ベンチマークを実行し、各シーンごとのロード時間の合計を算出しています。
XPG SX8200 ProはSamsung 970EVO Plusとほぼ同等のロード時間を記録しました。
プレイ中のロード時間は、テクスチャの読み込み等、大量のデータが処理されるのでランダムアクセス速度に影響されます。先ほどのCrystalDiskMarkではランダムアクセス速度が遅かったので、差をつけられるかなと思ったのですが、かなり良い数値を叩き出しています。
ファイルのコピー時間
大容量ファイルのコピー完了までに掛かった時間を計測します。
計測には、30GBのテキストファイルを用意しました。ファイル1つのみのコピーなので、シーケンシャル速度の性能が結果に表れるはずです。
読み込み速度、書き込み速度ともにSamsung 970EVO Plusにあと一歩という結果。ですが、500GBモデルでは約5000円ほどの価格差があるなかでも、肉薄した性能を見せています。
かつてのTLC NANDはキャッシュ切れによる性能低下が顕著でしたので、3D化したことでSSDは全体的に良い結果を示していますね。
XPG SX8200 Proの動作温度は?
付属のヒートシンクでは厳しい
XPG SX8200 Proの動作温度を確認してみます。
付属のヒートシンクで運用した場合、アイドル時は40℃〜45℃くらい。市販のヒートシンクを購入すれば30℃台いきますが、40℃という数字自体は特に問題はありません。ただ、同価格帯のWDのSN550等のNVMe SSDと比較すると、若干温度は高めな気がしますね。XPG SX8200 Proはハイエンドなので、許容範囲と言えますが。
大量のデータを読み書きさせる負荷テスト実行時は、温度が73℃に達しました。真夏には80℃近くまで上昇すると思われるので、付属のヒートシンクでは力不足な印象を受けます。そこまで高負荷な作業を強いることがなければ、付属のヒートシンクでも十分に運用可能です。
XPG SX8200 Proは、価格に見合わない性能を持つNVMe SSD
・付属のヒートシンクでは、十分な冷却は期待できない
・コンポーネントには、信頼性の高いMicron製、Samsung製を採用
・耐久性(TBW)が高い
・5年保証