自作PCに初めて挑戦する方にとっては、難易度が高いと思われがちな「自作PCの組み立て」。
筆者も初めて組む時は、これで本当に動くのかと不安ながらに挑戦していましたよ。ですが、組み立てる手順と大事なポイントだけ抑えてしまえば、そこまで難しいものではありません。
「自作PCに挑戦してみたいけど、組み立てが難しそう…」
「設計の知識もなんにも無いけど、初心者でも出来るの?」
今回は、⬆のような不安や疑問を持っている方に向けての記事になります。
自作PCの組み立ては簡単という話と、実際の組み立て方について、画像100枚を使ってわかりやすく解説していきます!
自作PCのパーツの選び方については、以下の記事をご覧ください!
自作PCの組み立ては、めちゃくちゃ簡単
自作PCの組み立て方に関して、初心者の方はこんなイメージを持っていませんか?⬇
僕が、自作PCを組もう!と思った時は、左画像のはんだ付けみたいなことはすると思っていました。
ただ、実際はこんな作業は1ミリもありません。右の画像のように、火花が飛び散るようなこともありません。
溶接作業は大げさでした笑
自作PCの組み立て方における、実際のイメージはコチラ⬇

いや、ぶっちゃけ本当にこんな感じですw
パソコンと言うと、大掛かりなものに聞こえるのですが、実際はそれぞれのパーツの集合体にしか過ぎません。
しかも、そのパーツのほとんどは、ネジやケーブルで繋がっているだけなんです。注意点のみ押さえてしまえば、何も難しくありません。
何か不都合があっても、今の時代はネットで簡単に情報を収集できますしね。
実際の作業も、普通の+ドライバーで組み立てが可能です。
今回の組み立てに用いるパーツまとめ

CPU | Intel Core i5 9400F |
メモリ | CORSAIR DDR4-2666MHz VENGEANCE LPX Series 8GB×2 |
グラフィックボード | ZOTAC Geforce RTX 2060 Twin Fan |
ストレージ | Samsung SSD 860 EVO×2 WesternDegital WD Blue 2TB |
マザーボード | AsRock H310-HDV/M.2 |
電源ユニット | 玄人志向 KRPW-BK550W/85W |
CPUクーラー | Intel純正クーラー (リテールクーラー) |
PCケース | Thermaltake Varsa H17 |
まあ、よくある構成ですね。
特筆すべき点としては、今回組み立て解説に用いるCPUクーラーは、Intelの純正クーラーです。取り付けはプッシュピン方式なのでご注意ください。
また、ストレージはM.2 SSDではなく、SATA SSDを用いて解説していきます。
ほとり
パーツ構成が異なっていても、基本の組み立て方は同じだから大丈夫!
自作PCの組み立て方を徹底解説する
- ポリエステルやウール素材などの、静電気が発生しやすい服装で作業しない
- 取扱説明書もよく読みながら作業する
- 余った部品は、まとめてしっかり保管しておく
- 各種ケーブルは、出来る限りPCケースの裏側を通して接続する(裏配線)
この4つは、作業中に必ず意識してください!!!
静電気によるパーツ故障対策として、静電気が発生しやすい服装で作業するのは止めましょう。
また、静電気防止用手袋の使用は推奨しません。細かい作業をする際に邪魔になります。念の為、作業前に金属部分に触れて静電気を逃しておくと良いでしょう。
組み立て解説は、自作PC組み立てにおける基本的な流れを網羅したものですが、コネクタの接続部分など、全てが全て同じ取り付け場所ということはありません。
記事を見ながらも、パーツの取扱説明書の内容をよく読みながら作業してください。
最後の4つ目に関しては、意識しないとケーブルがマザーボードの表面側でゴチャゴチャになって、見た目が悪くなるので、初心者のうちから意識しておいたほうがいいです。
メンテナンス時にも困ることがなくなります。
マザーボードにCPUを取り付ける

新品のマザーボードには、画像用にCPUスペースを保護するフタがついているので、取り外します。
固定されているフタを開けるために、レバーを画像のように、押し下げてから開けます。
ここは、しっかり力が必要です。下ろしすぎて、基盤に強く干渉しないようにだけ注意してください。(多少は、触れてしまっても問題ありません。)
そして、CPUを準備です。今回はIntel Core i5 9400Fを取り付けていきます。
取り付けの際は、CPUの向きがあっていることを確認してください。
CPUの切れ込みとマザーボードの切れ込みの形状がしっかり一致するのが正しい向きになります。正しい向きであれば、すっぽりとはまるはずです。
CPUを設置した後は、金属のフタを画像の位置までしっかりかぶせ、レバーを外す時と逆の手順で固定させます。
この時、少し怖いですが、力を入れないとレバーは下がってくれないので、グッと押さえつけます。
画像のように、グラつきなくしっかり固定できれば、CPUの取り付けは完了です。
CPUクーラーを取り付ける
次は、CPUクーラーを取り付けていきます。今回は、純正クーラー(プッシュピン方式)で解説していきます。
CPUクーラーは、CPUの上からかぶせるように設置します。CPUクーラーのピンが、マザーボードのそれぞれの穴に入ります。
ここで、CPUクーラーの向きですが、CPUクーラーの電力供給用のピンが、マザーボードに接続できる向きで設置してください。⬇
ここで、ピンの向きについて説明しておきます。ピンは回すことが出来ます。
- 矢印の逆向き=CPU取り付け時
- 矢印の向き=CPUクーラー固定時
つまり、取り付ける際はピンを矢印とは逆向きにさせます。
対角線上に、同時にピンを真下に押し込みます。(画像では指一本ですが…汗)
カチッと音がするまで、ピンを押し込みます。ピンがしっかりはまったら、ピンの向きを矢印方向に回して固定させます。
マザーボードの裏を確認し、画像のようにツメがしっかり固定できていれば、取り付け完了です。
コネクタの接続も忘れずに!
メモリを取り付ける
メモリを取り付けていきます。今回は8GB×2枚です。
メモリを取り付ける場所は、一般的なマザーボードであればCPUの右側です。
スペックの高いマザーボードでは、メモリが4スロットや6スロットある場合もあります。
デュアルチャネル・クアッドチャネル構成にする場合は、マザーボードの取扱説明書を参照してください。メモリの
適切な取り付け場所が記載されているはずです。
メモリにも、固定するためのツメがスロットに付いています。
ツメを、画像のように外側に倒します。
メモリにも、適切な向きがあります。
メモリの切れ目と、スロットの切れ目の位置が合うように挿してください。向きが間違っている時は取り付けができないはずです。
画像のように、両端を両手で押さえつけ、カチッと音がするまで、押すように取り付けます。
向きさえ合っていれば問題ありません。怖がらずにグッと押してみましょう。
取り付け後に、ツメが内側に倒れており、メモリがしっかり固定されていることを確認します。
これで、メモリの取り付けは完了です。
PCケースにマザーボードを取り付ける
マザーボードをPCケースに取り付けていきます。今回使用するPCケースは、ThermaltakeのVarsa H17です。
まずは、PCケースのサイドパネルを取り外します。
マザーボードを取り付けるために、事前にI/OパネルをPCケースにはめていきます。
マザーボードによって端子の数や種類が異なるので、箱の中にマザーボードと一緒に付いているはずです。
PCケースの内側から押さえつけるようにはめていきます。右の画像のように、出っ張りが見えるまで押さえつけて、しっかり固定させましょう。
これなんですが、ケースとI/Oパネルの相性によっては、絶望的に取り付けが難しい場合があります。
その場合には、I/Oパネル無しで組み立てることもあります。非常に稀なので、大半のケースではしっかりはめれるはずですので、頑張ってください!
このように、端子が飛び出るぐらいまで、しっかり固定できればOKです!
続いて、スペーサーを取り付けていきます。
スペーサーとは、マザーボードとPCケースの間の空間を確保する器具のことで、自作PCに限ったものではありません。
自作PCにおいては、干渉によるマザーボードの回路の傷や衝撃を防ぐ目的で用いられます。
スペーサーはPCケースに付属されているはずです。PCケースによって、取り付ける場所が異なるので、取扱説明書を見ながら取り付けてください。
Varsa H17では、画像の位置にスペーサーを取り付けます。
では、お待ちかね。マザーボードをPCケースに取り付けていきます。
ケースによっても異なると思いますが、基本的には、横に倒して作業するのがおすすめです。
画像のように、マザーボードの向きが、I/Oパネルの端子と合うことを確認して、さらに、スペーサーを取り付けた穴の位置に対応するように取り付けていきます。
適切な場所にはめることが出来たら、ネジでマザーボードをPCケースに固定していきます。
ネジはPCケースの開封時、付属しているはずです。
PCケースを起こし、マザーボードがPCケースにしっかり固定されていれば、完了です。
PCケースに電源ユニットを取り付ける

今回使用するのは、玄人志向の550W電源です。セミプラグイン方式ですね。
セミプラグイン方式とは?電源ユニットには、マザーボードやその他機器に接続するための、様々なケーブルが付いています。
そのケーブルについて、
・ケーブルが電源ユニットに全て繋がっている直出し方式
・一部ケーブルが取り外し可能なセミプラグイン方式
・全てのケーブルが取外し可能なフルプラグイン方式
の3つがあります。
中でも、プラグイン方式の2つは、必要なケーブルのみ使用することができ、使わないケーブルが邪魔にならないため、評判が良いです。
高価な電源ユニットほど、フルプラグイン方式が採用されていることが多い。
電源ユニットをPCケースに固定する前に、画像のように、必要なケーブルをあらかじめ、接続しておくと後々楽になりますよ。
ケーブルの種類については⬇
電源ユニットを入れていきます。Varsa H17では、電源ユニットの設置場所が他のパーツと仕切られており、底面に設置するタイプのようです。PCケースによって設置場所も様々です。
入れて終わりではありません。しっかりネジで固定してあげましょう。
これで電源ユニットの取り付けは完了です。
ケースファンを取り付ける

組み立ても、後半戦に入ります! 次はケースファンを取り付けていきます。
今回使うのはNovonestの120mmケースファンです。3個で1000円ちょっとというコスパに優れる製品。今回の構成ならこれで間に合います。
ケースファンの設置方法については、PCケースによって千差万別なので、ここに設置!というものがありません。PCケースの取扱説明書に設置場所についての記載があるはずです。
そして、注意してほしいのが、ケースファンの設置する向きです。
ケースファンを取り付ける目的は、PC内部のエアフロー(空気の流れ)を改善させることです。適切にPCを冷却させるためにはケースファンの向きが重要です。
- ケースファンに支柱がある
- ロゴが見える
- ファンの先が尖っていない
このような特徴のある面は、排気側(空気を出す側)となります。その裏面が吸気側(空気を入れる側)ですね。


Varsa H17では、上面と背面にケースファンを追加できるようです。基本的には、以下のようにエアフローを考慮してケースファンを設置していきます。

ケース前面のUSB端子やオーディオ端子を接続する

PCケース前面にある、電源ボタンやUSB端子、オーディオ端子を使えるようにするために、これらのコネクタをマザーボードに接続します。ケーブルはPCケースから出ているはずです。
左から順に、USB 3.0ケーブル、USB 2.0ケーブル、オーディオケーブル、5種類のスイッチコネクタ(電源の制御、HDDランプなど)となります。
スイッチコネクタを接続した写真
グラフィックボードやストレージを設置する前に、接続しておくことをおすすめします。最後のほうで接続しようとすると、パーツが干渉してやりづらくなる可能性があります。
これらのケーブルは、非常に間違えやすいです。マザーボードやPCケースの取扱説明書や、マザーボードに印字されているコネクタ名をよく見て、接続してください。
取扱説明書の例⬇


ストレージ(SSD・HDD)を取り付ける
ストレージ(SSDとHDD)を設置していきます。
Varsa H17のストレージ取り付け場所は画像の通り。取り付け場所をPCケースの取扱説明書で把握し、PCケース付属のネジで固定していきます。
余談ですが、Varsa H17のHDDの取り付けにくさは地獄級ですw もはや拷問レベル。
SATAケーブルを接続する(マザーボードとストレージ)

SATAケーブルは、マザーボードとストレージ(SSD・HDD)のデータ転送に用いるケーブルになります。

マザーボードに接続するので、端子が小さい方(画像上)がSATAケーブルの端子です。向きにも注意して挿してください。


マザーボードにSATAコネクタが付いているはずです。画像にもある通り、OSをインストールするSSDは、一番最初のスロットに挿してください。
マザーボードの取扱説明書に、スロット番号が割り振られていることがわかると思います。
グラフィックボードを取り付ける

もう、終盤ですよ! 次はグラフィックボードを取り付けていきます。今回使うのは、ZOTACのRTX2060 Twin Fanです。
CPUの内蔵グラフィックを利用する場合は、この工程は必要ありません
PCケースの背面にある、グラフィックボードの端子が出てくる部分のパネルをドライバーで外していきます。
グラフィックボードを挿すのは、PCI-Express x16というスロットになります。
PCI-Expressとは?PCI-Expressとは、高速データ通信を可能とする拡張インターフェース規格のこと。グラフィックボードやUSB、サウンドカードなどの拡張スロット枠として使うことが出来る。
データ転送速度の異なるレーン数 X1、X4、X8、X16で区別されており、それぞれによって追加できるデバイスが異なる。
近年では、転送速度が大幅に向上したPCI-Express 4.0に対応した製品が発売されるようになった。
グラフィックボードも、メモリと同様にツメがあります。
ツメは、内側が固定、外側が取り外しとなっているので、外側になっていることを確認して挿してください。
この時も、カチッと音がするまでしっかり取り付けます。
グラボを問題なく、取り付けると画像の通り。端子が、ケース外側から見える状態が確認できたら、ネジで固定しましょう。
これでグラフィックボードの取り付けが完了です。
各種、電源ケーブルを接続する
さて、組み立てもクライマックスです!
最後は、電源ユニットの各種ケーブルを、それぞれのパーツに接続していきます。
ここまで来たら、ケーブルの挿し方にはある程度、慣れていると思います。しっかり向きを確認して接続してください。
ちなみに、CPUファンはマザーボードの端子に接続することもできます。端子があれば、そちらを使っても良いでしょう。
メリットの1つとして、BIOSによるファンの制御機能(回転数の調整)が使えます。
起動前の最終確認
ケーブルを裏側の空いているペースにしまっておきましょう。
起動前の、最後の最終チェックです!
- モニターとPCのコンセントはしっかり挿しているか
- メモリはしっかり挿されているか
- CPU補助電源の接続忘れはないか
- スイッチケーブルの接続忘れはないか
- ATX電源コネクタ24pinはしっかり挿されているか
起動しない場合のミスとして、以上のケースが多いです。今一度、確認してみてください。
マウスやキーボードを接続し、電源を入れましょう!
無事、BIOSが画面が立ち上がれば、完成です!
さいごに
自作PCの組み立ては、初心者の方には敷居が高く感じるかもしれませんが、手順を覚えてしまえば大したことはないと思います。
実際、そこらへんの本格的なプラモデルを作るより簡単だと思います。
今回、画像を87枚も使用して、組み立てを解説するという挑戦をしてみました。参考になったという方がいればとてもうれしい限りです!
何かあれば、コメントやTwitterの方でお願いいたします。
以上、「【小学生でも出来る】自作PCの組み立て方を画像87枚で解説する」でした!